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2020年の日本資産運用業界の姿(エッセイ)

 

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山本 誠一郎
アライアンス・バーンスタイン株式会社
代表取締役社長







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2014年5月16日

アベノミクスの第三の矢の成長戦略として、昨年暮れに金融・資本市場活性化有識者会合が実施され、正式に提言書がまとめられた。その提言書には、「2020年までに国際金融センターとしての地位を確立する」との力強い将来ビジョンが盛り込まれた。東京五輪が開催される2020年は日本の金融業界にとっても大きな節目の年となりそうである。提言書には2014年度からただちに着手すべき施策として、以下の4つが掲げられた。

1. 豊富な家計資金や公的年金等が成長マネーに向かう循環の確立

2. アジアの潜在力の発揮、地域としての市場機能の向上、我が国との一体的な成長

3. 企業の競争力の強化、起業の促進

4. 人材育成、ビジネス環境の整備等


これら4つの施策のうち一つ目は、まさしく(広義の)資産運用業界がアカウンタビリティをもつことが求められている。これは、ある意味では、2020年までに資産運用業が日本の金融業の柱となるべく大きく発展してほしいという高い期待の表れともとらえることができよう。一つ目の施策の内容は、具体的には次の3つである。

1. 国民のライフサイクルに応じた資産形成の支援

2. GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)等の改革(海外年金ファンド等との共同投資等)

3. インフラファイナンス市場の整備(東証による上場インフラファンド市場の創設等)


ここで注目したいのは、最初の「国民のライフサイクルに応じた資産形成の支援」に関する内容である。しばし提言書に目を向けてみよう。

2020年の姿としては、少子高齢化が急速に進展する中で、家計がライフサイクルを踏まえ、世代に応じた資産形成(リスクテイク)を行える環境が整備されることを目指す。そのためには、個人の金融リテラシーが向上し、同時に、個人投資家の利益を第一に考え資産形成のニーズに応じて適切なアドバイスを行える幅広い人材が確保されていることが必要である。

上記の目標を達成する具体的な手段として、NISA(少額投資非課税制度)の推進と、投資信託などにおいてライフサイクルに適合した商品の開発・普及促進が不可欠としている。我々業界に対するエールとして、短期間での商品乗換えによる販売手数料収入重視の営業を見直し、運用に関わる透明性向上とともに、投資家のライフステージを踏まえ、長期的な資産形成につながる商品を選択して推奨することが必要と提唱している。

ここでの重要なポイントは、世代、つまり、年齢によるリスク許容度に従った投資方針を選ぶことを推奨していることである。若年層は、人的資本も豊富で、時間を味方につけることができることから、リスク許容度が高く、株式や不動産などリスクの高い運用を中心にすえることがのぞましい。高齢層になればなるほど、人的資本が少なくなり、リスク許容度が低くなるので、債券や預貯金などのリスクを押さえた運用がのぞましい。米国のDC(確定拠出年金)で広く普及しているターゲット・イヤー型の投資商品がそのソリューションの一つとなる。

日本の公的年金や企業年金の厳しい現状と将来を考えると、こうした自助努力による資産形成、つまり「自分年金」に厚みを持たせることが益々重要になってきていることについて異を唱える業界関係者はほぼ皆無であろう。いわゆる「総論賛成」である。

しかしながら、日本の個人資産の世代別分布の現状をみると、総務省の統計「全国消費実態調査」によれば、60代と70代の2人以上世帯では約1,800万円(債務控除後)の金融資産を保有する一方で、40歳未満の世帯では保有金融資産の平均はマイナスになるなど、「格差現象」が生じている。ビジネス側の論理としても、資産保有者である高齢層を資産運用のターゲットに据えるのが理にかなっており、それが組織で働く個々人の行動様式につながっている。

ここに「総論賛成、各論反対」のパラドックスが生まれている。このことは、資産運用業界が今までの慣習や常識の延長で考え行動をしていたのでは、決して打破することができない大きな壁となっている。まさに業界関係者全員が非連続のイノベーションも含む様々なチャレンジをしていかなければならない状況が差し迫っているといえるのではないだろうか。 

次稿では、アライアンス・バーンスタインが行っている具体的な試みについて紹介していきたい。



 

当資料は、2014年5月9日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は今後予告なしに変更することがあります。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。
 

 

 

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