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金利上昇局面を管理する意外なソリューション

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ダグラス・ピーブルズ 
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
債券部門 最高投資責任者(CIO) 
 
 
 

 

 

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2018年5月8日

 
 
金利が上昇し、信用サイクルが終盤を迎えつつある今、債券投資家は何をすればいいのだろうか? 答えは意外なところにもあるかもしれない。ここで正しい行動を取ることは、債券ポートフォリオの健全性を保つ上で極めて重要な意味を持つ。
 
最近の市場環境では、どのようなポジションを取るのが良いのか判断が難しい。金利が上昇し、信用スプレッドはタイトな水準にあり、米国など一部の先進国ではインフレ予想が高まっている。その結果、米国債利回りが上昇しているほか、一部のエコノミストの間では、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に4度利上げするとの予想が広がっている。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)のエコノミストもそう予想している(以前の記事『Five Reasons the Fed Could Hike More than You Think』(英語)ご参照)。
 

今、金利リスクをとる?  

こうした環境では、投資家はデュレーションを短縮することで金利変動へのエクスポージャーを縮小したり、信用リスクを取ろうとするケースが多い(以前の記事『Want to Survive a Rising-Rate Environment? Avoid These Mistakes.』(英語)ご参照)。ハイイールド社債などリターン追求型のクレジット資産は、経済成長が加速し、金利が上昇する局面で良好なパフォーマンスを示すことが多いからだ。一方、金利に敏感な国債は、こうした市場環境では低迷しがちだ。
 
確かに、金利上昇サイクルの初期段階では、いくつかの条件が揃えば、デュレーションを若干短縮するのは適切な措置かもしれない。クレジット・プレミアムの相対的な投資妙味、投資目的、リスク許容度などといった条件次第だ。しかし、投資家はしばしばクレジットに傾斜し過ぎるきらいがあり、それは、バリュエーションが高水準にあり、信用サイクルが終わりに近づいている時期には、投資家を過剰な信用リスクにさらすことになる。しかも、そうした状況では、金利エクスポージャーによる分散効果も十分に得ることができない可能性がある。
 
デュレーションを短くしたポートフォリオは、金利上昇が信用サイクルにブレーキを掛け、経済成長が鈍化した時には不利になる恐れがある。そうした環境では、米国債など金利に敏感な資産はリターンを押し上げ、クレジットで被った損失を相殺する役割を果たしてくれるからだ。
 
どうすればこのような罠に陥るのを回避できるだろうか? その方法として2つのソリューションを検討してみたい。
 
バーベル型戦略への投資: このアプローチは、単一のマネジャーが運用する単一戦略の中で金利リスクと信用リスクのバランスを取る方法で、マネジャーはバリュエーションや市場環境の変化に応じてウェイトを変更する。正しく構築され、うまく運用されているバーベル型戦略は、ポートフォリオがどちらか片方に傾斜し過ぎるのを防ぐことによって、リスクを抑制する役割を果たす。
 
ウェイトをいつ変更すべきかという判断は、科学というよりは芸術の領域に近い。金利の変化やクレジット・イベントが起きるタイミングを予測するのは、最も熟練したポートフォリオ・マネジャーでも難しい。信用リスクや金利リスクを一元的に管理することが重要なのは、それが理由である。そうすれば金利リスクと信用リスクの相互作用を監視し易くなり、どちらか片方に傾斜しすぎる事態を避けることができる。金利リスクと信用リスクを異なるマネジャーが運用する別々の戦略に分離した投資家は、どちらかのリスクに過度にさらされる可能性が高くなる。
 
クレジットと金利は常にお互いに影響を及ぼし合っている。そして、その相互作用は、投資家にとって管理すべき最も重要なリスクとなる時がある。その典型的な例は、中央銀行が信用サイクルを鈍化させようとすることで、金利や債券利回りが上昇している時だ。まさに今の状況である。
 
金利が上昇している場面でデュレーションを長期化すれば、短期的な損失につながるのではないだろうか?確かにそのとおりだ。しかし、投資ホライゾンが数カ月以上であれば、それはさほど重要ではない。長期的に見れば、利回りの上昇は、金利敏感資産とクレジット資産の双方においてリターンの増大を意味する。中期的には、米国債のリターンは主に利回りから創出されるからだ。つまり、金利上昇は、短期的な価格変動をあまり気にしない投資家にとっては、イン
カム収入を押し上げる要因になることを意味する。
 
例えば、米国10年債の利回りは2016年半ば以降に倍近く上昇し、2.9%前後というここ何年も見られなかった水準に達している。その結果、米国10年債は貴重なインカム創出商品となったほか、歴史的な水準に照らして依然として割高に見える高利回り社債のヘッジ手段にもなっている。
 
もっとも、欧州では状況が異なる。欧州債券市場のベンチマークであるドイツ連邦債は割高に見え、米国と比べ利回りの上昇余地が大きいと思われる。このことは、投資家がどこでリスクを取るかを決める際に、グローバルな視点で考えることが重要なことを裏付けている。
 
金利への質の高いエクスポージャーは、債券ポートフォリオの流動性を維持する手段にもなり得る。国債がアウトパフォームすれば、投資家はそれを売却し、アンダーパフォームしたクレジット資産を割安な価格で購入し、ポートフォリオをリバランスすることができる。
 
クレジットへのエクスポージャーの分散: 信用サイクルの現段階では、投資家は利回りを追求したくなる欲求を抑え、代わりに投資機会の最大化とリスク縮小に集中すべきである。
 
信用リスクを抑えようとしている投資家でも、インカム収入を獲得し、ポートフォリオのバランスを維持するには、クレジットに対するある程度のエクスポージャーは必要となろう。しかし、クレジットのタイプが重要である。グローバルなマルチセクター戦略は、様々なインカムやリターン源泉へのアクセスを提供するとともに、投資家が一つのセクターに過度に集中するのを防ぐ役割を果たす。
 
例えば、現在の市場では、米国の証券化資産、一部の新興国債券、欧州金融機関の劣後債などに魅力があると言える。
これらの資産は、資本構造のより深い部分にある債券を購入することによって取るリスクに見合うだけの魅力的な利回りを提供しているからだ。
 
それに対し、米国と欧州のハイイールド債は、信用サイクルが終盤にあるため、割高に見える。だからと言って、投資家はそれらを全面的に回避する必要はない。しかし、慎重な対応や選別的な投資が求められる。
 
では、投資家がやってはいけないことは何だろう? 例えば、バンクローンが金利上昇から資産を守る手段になると期待して、高インカム戦略をレバレッジ度の高いバンクローンのポートフォリオに入れ替えることだ。バンクローンはこれまで、そうした期待に応えることはできなかった(以前の記事『Cracks Are Deepening in Bank Loan Market』(英語)ご参照)。
 
こうしたいくつかの手法を用いれば、市場が転換点に近づいたり、サイクルが反転したりする時に多くの投資家が冒しがちな間違いを回避するのに役立つのではないだろうか。
 
 
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/the-surprising-solutions-to-managing-a-rising-rate-environment

 

 

 

 

 

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当資料は、2018年3月20日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。

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