2021年6月

「資産運用業宣言2020」にかかる取り組み

アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、皆様により良い投資成果をご提供することに全面的にコミットしています。機関投資家・個人投資家、ビジネス・パートナーである販売会社などあらゆるお客様から最も信頼されるパートナーになることに全力で取り組んでいます。
この一環として徹底したリサーチにより得た知見を投資判断に反映させるだけでなく、お客様と共有することが、お客様に最善の成果をもたらすことであると信じ、国内外で情報発信に取り組んでいます。
「資産運用業宣言 2020」が採択されたことを踏まえ、以下で日本法人であるアライアンス・バーンスタイン株式会社(以下、「弊社」)の取り組み事例を5つほどご紹介いたします。

取り組み事例1 機関投資家向け金融知識、資産運用研修プログラムの定期開催

機関投資家や販売会社の資産運用業務の初任者に対し、資産運用を行う際に必要となる基礎知識及び実際の運用現場で直面する問題をケーススタディで学ぶことを目的とする研修プログラムを2012年から毎年開催しています。
開催の背景としては、以下の2点が挙げられます。

  1. 昨今の不確実性の高い市場環境の下で、資産運用業務は多様化、高度化が求められており、高い専門性を有する人材の育成に対するニーズが高まっていること
  2. ABでは米国イボットソン・アソシエイツとの共同で、1990年代前半から2000年代前半まで、若手の新任運用関係者向け研修プログラムをニューヨークで実施してきた実績があり、国内のお客様からもクオリティの高い研修プログラムとして非常に高くご評価いただいていたこと

このため、日本でもイボットソン・アソシエイツ・ジャパン株式会社と共同で、若手の新任運用関係者が今後プロフェッショナルとして資産運用に携わるにあたって必要となる知識を理論的、実践的な観点から学ぶことを目的とする研修プログラムを立ち上げました。

基本編の様子(2019年)
実践編の様子(2019年)

取り組み事例2 徹底したリサーチにより得た知見の共有

弊社ブログ(レポート)「知の広場」
弊社ブログ(レポート)「知の広場」

金融市場見通しにとどまらず、資産運用や制度変更などに関するグローバルな調査研究の内容をレポートやウェブサイトなどで発信し続けています。
情報発信の主な媒体は「知の広場」と呼んでいるブログ(レポート)であり、国内外のポートフォリオ・マネジャーやエコノミスト、アナリストなど運用担当者のみならず、クライアント・サービス担当者やダイバーシティ&インクルージョン(D&I)担当者など、幅広い業務の担当者が執筆しています。

「知の広場」では、主題が特定のファンドや運用プロダクトの紹介ではなく、リサーチによって得た市場環境の見通しや、制度や法律の改正が金融市場に与えるインパクト、個人や機関投資家の資産運用に関するトピック、さらにはD&Iや環境・社会・ガバナンス(ESG)といった現在国内外で議論されている新たな潮流の紹介を行うなど、内容が多岐にわたっています。
2013年の「知の広場」開始以降、トピックの幅を広げながら発行ペースを増加させています。足元では、コロナショックに伴う経済/金融市場見通しや投資戦略への影響に関する記事も増加していますが、ESGやD&Iなどの資産運用を取り巻く新たな潮流の紹介記事も増加しています(ESG関連については後述「取り組み事例3」にて概要を紹介)。

「知の広場」発行件数の推移(2018年-2021年5月)
「知の広場」発行件数の推移(2018年-2021年5月)

取り組み事例3 責任投資/ESG 投資の普及を目指した情報発信

ウェブサイト「ABCDESG」のイメージ
ウェブサイト「ABCDESG」のイメージ

近年注目を浴びている責任投資に関して、より広く投資信託の販売員や投資家に理解を深めて頂けるような情報発信を行っています。
2019年から「ABの責任投資」としてグローバルの特設サイトの抜粋を翻訳した形でのウェブサイトを展開しています。しかし特にリテール分野において責任投資に対する注目が集まる一方で、「自身には直接関係ない」、「難しくて分かりにくい」との声を個人投資家のみならず、金融機関で投資信託を販売している人々も考えている傾向があるとのフィードバックを受けて、より分かりやすく、親しみやすい情報発信も同時に行うこととし、2021 年から広告、ウェブサイトおよび金融関連以外のメディアなどで情報発信を展開しています。

取り組み事例4 議決権行使の概要と足元での取り組み

議決権行使は、我々の「アクティブ・オーナーシップ」アプローチの不可欠な部分です。ABでは、長年にわたり培った、議決権行使の指針となる政策とプロセスを確立しています。また、年次株主総会の前のみならず、通年にわたり、企業に対しエンゲージメント活動を行っています。加えて、議題提案者をはじめとする多くの利害関係者との対話を通じて、さまざまな利害関係者の視点や目的を理解するよう努めています。
また、議決権行使を行う際には、ESG要因も考慮に入れています。ABにおけるESG要因の投資プロセスへの統合方法の特徴のひとつは、議決権行使関連のミーティングが、その企業に関し詳細な知識を持つ運用プロフェッショナルと、より包括的なガバナンスの見方を提供する議決権行使担当者との間の共同作業であることです。
議決権行使のプロセスや関連委員会、公開手法等の概要は以下のとおりです。

  • プロセス:ABでの議決権行使は、担当する業界や企業に関する深い専門知識を持つリサーチ・アナリストと、豊富なESG知識を持つ責任投資チームとの共同作業です。責任投資チーム内の独立したグループが、株主総会の議題に関する各提案を分析し、ABの方針に沿ったものとなるようにします。
  • ABの包括的な議決権行使・ガバナンス方針はESG問題に関する判断の指針となっており、ABの意見が適切に反映されるようにするために定期的に見直され、必要に応じて修正されます。
  • 加えて、ABの議決権行使・ガバナンス委員会が、議決権行使業務に関するリーダーシップを担い、監視しています。当該委員会には、法務およびオペレーション担当者だけでなく、シニア・インベストメント・プロフェッショナルも含まれます。運用チームと協力し、投票プロセスを見直し、新たな提案に関する AB の意見を策定し、最新の考え方を方針に反映させるために、年に3回以上委員会を開催します。
  • ABは透明性と開示を提唱しており、米国においては早い段階から議決権行使結果をオンラインで公開した運用会社の1つで、グローバルでは2013年から四半期ベースで公開しております。
  • なお、2020年5月および6月に日本法人が行った日本国内の投資先企業に対する議決権行使結果についてはこちらをご覧ください。

取り組み事例5 経営陣等の選定基準、プロセス等経営陣の選定

先ずABは、グローバルでシニア・マネジメント人材として期待される要素として、

  1. パフォーマンス・リーダーシップ
  2. コマーシャル・リーダーシップ
  3. ピープル・リーダーシップ
  4. ソート・リーダーシップ(思想的リーダーシップ)
  5. カルチャラル・リーダーシップ

なかでも「世界で最も信頼される運用会社」となるために重要と考える、専門知識・革新性・影響力に関連する

4.ソート・リーダーシップ(思想的リーダーシップ)

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に関連する

5.カルチャラル・リーダーシップ

が特徴的であると考えております。

日本法人の取締役につきましては、営業部門・運用部門・コーポレート・サービス部門のバランスを勘案、各部門から1名ずつ、合計3名を選任しております。さらに、グローバル企業の一員として海外の知見も取り込むこと、およびグローバルでも重要な位置を占める本邦資産運用業界の特性などを海外に伝えることを目的として、在米国・香港・豪州の4名(営業部門2名、運用部門2名<株式部門と債券部門から各1名>)を非常勤取締役として選任し、海外4名・日本3名合計7名の体制とすることで地域などのバランスもとっております。

「資産運用業宣言2020」にかかる取り組み 詳細レポート

「資産運用業宣言 2020」にかかる取り組み事例について、PDF版で詳細なレポートを公開しております。ぜひご覧ください。

お客様のために