利益相反管理方針の概要

1. 目的

金融サービスの多様化及び世界的な金融コングロマリット化の進展に伴い、金融グループ内において、競合・対立する複数の利益が存在し、利益相反が発生するおそれが高まっています。こうした状況の中で、アライアンス・バーンスタイン株式会社(以下「当社」)においても、顧客の利益が不当に害されることのないよう、利益相反のおそれにある取引を管理することが求められています。当社は、金融商品取引法上の投資運用業を主たる業務としておりますが、有価証券関連業を行う第一種金融商品取引業者として、以下のとおり利益相反管理方針(以下、「本方針」)を策定しました。

2. 利益相反のおそれのある取引とその類型

  1. 当社が管理の対象とする「利益相反のおそれのある取引」は、当社又は当社の親金融機関等(下記3に定義します。)若しくは子金融機関等(下記3に定義します。)が行う取引のうち、お客様の利益を不当に害するおそれのある取引(以下、「対象取引」)です。当社の親金融機関等又は子金融機関等のことを以下「当社グループ」といいます。
  2. 本方針が対象とする利益相反は、①当社及び/又は当社の親金融機関等若しくは子金融機関等と顧客間の利益相反、②当社及び/又は当社の親金融機関等若しくは子金融機関等の顧客と他の顧客との間に生ずる可能性があります。
  3. 「顧客」とは、当社、又は当社の子金融機関等の行う「金融商品関連業務」に関して①既に取引関係のある顧客、又は②取引関係に入る可能性のある顧客を意味します。
    「金融商品関連業務」とは、①当社の行う金融商品取引業及び金融商品取引法35条第1項に規定する金融商品取引業に付随する業務、及び、②当社の子金融機関等の行う(i)金融商品取引業(子金融機関等が金融商品取引業者の場合)、(ii)登録金融機関業務(子金融機関等が登録金融機関の場合)、(iii)金融商品取引法35条第1項に規定する金融商品取引業に付随する業務(子金融機関等が第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う金融商品取引業者の場合)、(iv)子金融機関等が行う金融商品取引法35条第1項に規定する金融商品取引業に付随する業務に相当する業務(子金融機関等が第一種金融商品取引業、投資運用業のいずれも行わない場合)をいいます。
  4. 「利益相反のおそれのある取引」の類型としては以下のものが考えられます。しかし、これらの類型は、あくまで「利益相反のおそれのある取引」の有無の判断基準に過ぎず、これらに該当するからといって直ちに「利益相反のおそれのある取引」となるわけではないことにご注意ください。なお、必要に応じ、将来の追加・修正がありうることにご注意ください。
    • 顧客の犠牲により、当社又は当社関係者が経済的利益を得るか又は経済的損失を避ける可能性がある場合(忠実義務型)。
    • 顧客以外の者との取引に関連して、通常の手数料や費用以外の金銭、財貨若しくはサービスの形で誘因を得る場合、又は将来得ることになる場合(忠実義務型)。
    • 当社又は当社関係者が保護すべき顧客を相手方とする取引をする場合(自己代理型)。
    • 当社又は当社関係者が保護すべき顧客の取引相手の側に立つ取引をする場合(双方代理型)。
    • 当社又は当社関係者が保護すべき顧客の取引相手との間の、顧客と競合する取引をする場合(競合取引型)。
    • 当社又は当社関係者が保護すべき顧客の非公開情報の利用等を通じ、自己の利益を得る取引をする場合(情報利用型)。

なお、当社は、利益相反に該当するか否かの判断において、当社及び当社グループのレピュテーションに対する影響がないか等の事情も考慮いたします。また、金融商品取引法その他の法令上で禁止されている行為であっても、「利益相反のおそれのある取引」に該当するもの以外は本方針の対象とはなっておりません。

3. 主な取引例及びその特定のプロセス

  1. 主な取引例
    • 自社の親法人等又は子法人等の利益を図るため、その行う投資助言業務に関して取引の方針、取引の額若しくは市場の状況に照らして不必要な取引を行うことを内容とした助言を行い、又はその行う投資運用業に関して運用の方針、運用財産の額若しくは市場の状況に照らして不必要な取引を行うことを内容とした運用を行う場合。
    • 通常の取引の条件と著しく異なる条件で、自社の親法人等又は子法人等と資産の売買その他の取引を行う場合。
    • 自社との間で金融商品取引契約を締結することを条件としてその親法人等又は子法人等がその顧客に対して通常の取引の条件よりも有利な条件で資産の売買その他の取引を行っていることを知りながら、当該顧客との間で当該金融商品取引契約を締結する場合。
    • 有価証券関連業を行う金融商品取引業者が発行者等に関する非公開情報を自社の親法人等若しくは子法人等から受領し、又は当該親法人等若しくは子法人等に提供する場合。
    • 自社の親法人等又は子法人等から取得した顧客に関する非公開情報を利用して金融商品取引契約の締結を勧誘する場合。
    • 当社等の従業員が、顧客の利益と相反するような影響を与えるおそれのある贈答や遊興(非金銭的なものを含む。)の供応を受ける場合。
  2. 特定のプロセス
    • 当社は、対象取引を以下の方法により特定します。
      • 類型的に利益相反が発生するおそれがある取引については、個別の取引に関する情報を集約した上で、当社グループの行う他の取引との関係等に照らして利益相反のおそれのある取引を個別に対象取引として特定する方法
      • 商品又はサービス等の性質及び構造上、一定の類型の利益相反が想定される商品又はサービス等については、当該商品又はサービス等に係る取引を一括して対象取引として特定する方法
    • 営業担当部署は、利益相反のおそれのある取引について、利益相反管理統括責任者が定める類型及び基準に従って、利益相反管理統括部署へ報告するものとします。

4. 利益相反の管理方法

  1. 当社は利益相反のおそれのある取引を特定した場合、以下に掲げる方法その他の方法を選択し、又は組み合わせることにより対象取引を管理します。
    • 情報隔壁・情報遮断の整備により対象部門を分離する方法
    • 対象取引又は当社の顧客との取引の条件又は方法を変更する方法
    • 対象取引又は当社の顧客との取引を中止する方法
    • 対象取引に伴い、当社の顧客の利益が不当に害されるおそれがある旨を当該顧客に適切に開示する方法
    • 情報共有者を監視する方法
    • その他の方法
  2. 特定のプロセス
    • 当社は、対象取引を以下の方法により特定します。
      • 類型的に利益相反が発生するおそれがある取引については、個別の取引に関する情報を集約した上で、当社グループの行う他の取引との関係等に照らして利益相反のおそれのある取引を個別に対象取引として特定する方法
      • 商品又はサービス等の性質及び構造上、一定の類型の利益相反が想定される商品又はサービス等については、当該商品又はサービス等に係る取引を一括して対象取引として特定する方法
    • 営業担当部署は、利益相反のおそれのある取引について、利益相反管理統括責任者が定める類型及び基準に従って、利益相反管理統括部署へ報告するものとします。

5. 利益相反の管理方法

  1. 当社は、リーガル・コンプライアンス本部を利益相反管理統括部署とし、リーガル・コンプライアンス本部長を利益相反管理統括責任者とします。利益相反管理統括部署は、当社の利益相反管理に関する事項を一元的に管理します。
  2. 利益相反管理統括部署は、営業担当部署から独立した地位を保持し、利益相反管理について当社の他の部署からの指示を受けません。
  3. 利益相反管理統括部署は、本方針に従って、対象取引を特定するとともに、対象取引に関する適切な利益相反管理の実施を行い、又はその実施を他の部署に対して指示します。この場合、利益相反管理統括部署の担当者は、対象取引の特定及び実施した措置について記録し、利益相反管理統括部署において作成の日から5年間それを保存します。
  4. 利益相反管理統括部署は、本方針及び当社の利益相反管理体制の有効性を定期的に検証し、親金融機関等に変動があった場合等、必要に応じて、本方針及び当社の利益相反管理体制の見直しを行います。
  5. 利益相反管理統括部署は、当社の役職員に対して、本方針及び本方針を踏まえた業務運営の手続に関する研修を定期的に実施し、利益相反管理についての周知徹底を図ります。
  6. 内部監査部は、利益相反管理統括部署及び利益相反管理に係る人的構成及び業務運営体制について、社内規程に基づく検証を行います。

6. 利益相反の管理の対象となるグループ会社

「親金融機関等」とは、当社の①親会社等、②親会社等の子会社等、③親会社等の関連会社等、④特定個人株主が総株主等の議決権の100分の50を超える議決権を保有する会社等(当該会社等の子会社等及び関連会社等を含む。)及び当該特定個人株主が総株主等の議決権の100分の20以上100分の50以下の議決権を保有する会社等のうち、(a)金融商品取引業者、(b)銀行、(c)協同組織金融機関、(d)株式会社商工組合中央金庫、(e)保険会社(外国保険会社等も含む。)、(f)無尽会社、(g)証券金融会社等、(h)短資会社、(i)外国の法令に準拠して外国において金融商品取引業、銀行業又は保険業を行う者のいずれかに該当する者をいいます。

「子金融機関等」とは、当社の①子法人等又は②関連法人等のうち、(a)金融商品取引業者、(b)銀行、(c)協同組織金融機関、(d)株式会社商工組合中央金庫、(e)保険会社(外国保険会社等も含む。)、(f)無尽会社、(g)証券金融会社等、(h)外国の法令に準拠して外国において金融商品取引業、銀行業又は保険業を行う者のいずれかに該当する者をいいます。

当社の場合、「親金融機関等」には、当社グループに属する会社のうち、我が国において金融商品取引業を行っている会社、外国(例えば、米国、欧州、アジア等)において当該国の法令に準拠し、金融商品取引業、銀行業、保険業を行っている会社等が含まれます。

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