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リスクは動く標的:市場急落で鮮明に

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ケント・ハーギス
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ストラテジック・コア株式運用 ポートフォリオ・マネジャー
 
 
                                                                                                                                                                     aso_takeo_WA2.jpg
サミー鈴木   
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ストラテジック・コア株式運用 ポートフォリオ・マネジャー
 
 
                                                                                                                                                                     
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クリス・マークス    
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー   
株式運用 ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 
 
 

 

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2018年12月21日

 
 
従来の概念に基づくディフェンシブ株式戦略は、常に新しいリスクによって試されている。最近の株式市場におけるボラティリティの上昇は、このことを再認識させるものだった。市場の下落から資産価値を守る効果を求められるディフェンシブ型ポートフォリオは、標準的なリスク・モデルに安住せず、貿易戦争や欧州の政治的不透明性の拡大といった、入れ替わり立ち替わり市場を襲う様々な困難に対応する必要がある。
 
リスク管理はいかなる投資戦略にとっても中核的な要素である。しかし、標準的なリスク管理ツールが十分であるとは限らない。例えば、トラッキング・エラーはポートフォリオがベンチマークからどれだけかい離しているかを示してくれるが、市場が大幅変動した場合にパフォーマンスがどれほど打撃を受けるかについては教えてくれない。また、標準的なリスク・モデルは、長期にわたる平均に対し機能するよう作られているが、貿易戦争や英国の欧州連合離脱(ブレグジット)といった具体的なイベントによってどれほど影響を受ける可能性があるかを予測するようには設計されていない。
 

予期せぬリスクに目配り  

ポートフォリオ・マネジャーは、常に新たなリスクに目配りしなくてはならない。もちろん、優れた運用戦略は、必ず明確な運用プロセスやリスク管理プロセスに基づいている。しかし、最も巧みに設計された運用プランであっても、投資している間に起こり得る数々の困難な問題を予測することはできない。
 
今日の市場では、リスクは動く標的である。今年浮上した3つの大きなリスクは、足元で事態が急迫しており、それぞれについて創造的な対応が求められている。その目的は、負の影響を受けやすい企業を把握すると同時に、不透明感が強まる中でむしろ良い投資機会となり得る銘柄を探し出すことにある。
 
 

リスク1: 貿易戦争  

米国と中国の貿易戦争は新たなリスクの筆頭に挙げられる。事態がどう展開するかは誰も予測できないため、特定の結果に賭けるポジションを構築するのは賢明ではない。それでも、事態が悪化した場合にどのような企業が大きな被害を受ける恐れが高いのかを見極めることは重要である。例えば、テクノロジー・セクターと資本財/サービス・セクターは貿易を巡る逆風に最もさらされやすいが、セクター内を精査すれば、すべての企業が均等にリスクにさらされているわけではないことが分かる。
 
ABはそれぞれのセクターやそれをさらに細分化した業種内で、貿易戦争の影響を受けやすい事業の売上について検証した。米国企業に関しては国外での売上高を「影響を受ける」ものと定義する一方、米国以外の企業については米国における売上高を「影響を受ける」ものとした。「影響を受ける」売上の割合はテクノロジー業界で際立って高かったが、その中でも半導体とハードウェア分野では売上の約61%が「影響を受ける」一方、ソフトウェアおよびITサービス分野では42%にとどまる(図表1)。工業セクターにおいては、財の分野では約3分の1が、サービス分野では26%が「影響を受ける」売上であることがわかった。これらのセクターで個別銘柄を選択する際には、売上の多くが貿易戦争の「影響を受ける」企業については慎重に対処する必要がある。
 
 
どの業種が貿易戦争の影響を受けやすいか?.png
 
 

リスク2: 中国経済の減速  

新興国市場は厳しい1年を経験してきた(以前の記事『How Low Can Emerging Markets Go?』(英語)ご参照)。世界第2位の経済大国である中国が成長減速に苦しむ中、中国を巡る不透明感は新興国に投資する投資家にとって大きなリスク要因の1つとなっている。それに加え、中国では経済全体で債務削減や環境汚染問題の改善に取り組んでいる。そして、こうした膨大な作業は、米国との貿易戦争で一段と複雑化している。
 
こうした環境では、投資家は中国へのエクスポージャーが大きな企業に対して警戒してかかる必要がある。例えば、素材や半導体関連など中国へのエクスポージャーが大きな業種の株式のリターンは、世界的にここ数カ月はとりわけ大きな打撃を受けている(図表2)。それに対し、メディアや食品小売など中国へのエクスポージャーが小さな業界は、比較的堅調に推移している。
 
図表を注意深く見れば、テクノロジー・ハードウェアがその傾向から大きく外れていることが分かるが、その主因はアップルの存在だ。アップルを除外すれば(下の図表のオレンジ色の点)、他の業種と同じようなパターンになる。
 
だからと言って、中国への投資を全面的に避けるべきだと考えているわけではない。中国は依然として多くの魅力的な企業の本拠地であり、そうした企業は中国の長期的な成長に投資する手段を世界の投資家に提供している。また、投資家は明らかなリスク以外にも目を向けることが重要である。例えば、テクノロジーから衣料品にいたるまで、サプライチェーンの一部が中国にある業種は、中国の直面している問題に巻き込まれる可能性がある。そのため、これまで以上にリスクに留意したアプローチが重要となっている。
 
 
中国へのエクスポージャーが世界の株式市場に与える影響.png
 
 

リスク3: 欧州の政治   

欧州では、複数の政治的リスクが市場を揺り動かしている。ポピュリスト的な性向の強いイタリアの政権は歳出拡大計画を巡って欧州委員会と対立しているが、このことは、すでに経済のファンダメンタルズが健全とは言えないイタリアの借り入れコストをさらに押し上げる恐れがある。また、英国のブレグジットを巡る交渉は、同国経済の将来に暗雲をもたらしている。
 
イタリアの問題でリスクにさらされているセクターとしては、金融が第一に挙げられる。しかし、不動産や損害保険など一部のビジネスは、銀行と比べれば、そうしたリスクはずっと小さい。市場の不安によって株式などの取引が増加すれば、証券取引所も恩恵を受ける可能性がある。
 
同様に、英国企業にとっても、ブレグジットがすべてではない。英国には多くの大規模な多国籍企業が拠点を置いており、そうした企業は英国経済への直接的なエクスポージャーはほとんど持っていない。一方、英国経済が交易条件の悪化によって打撃を受けた場合には、一般消費財/サービスなどのセクターは影響を受ける可能性がある。
 
 

ディフェンシブなポートフォリオとは  

こうしたリスクを管理する上で必要な考え方には共通性がある。いずれの場合も、リスクの原因や、そのリスクに対し脆弱な企業のタイプを理解することが防衛プラン構築の第1歩となる。そして、標準的なリスク・モデルに依存せず、変化しつつあるリスクに基づくテーマ的なエクスポージャーを把握し、脆弱性のあるセクターや業種を特定しなくてはならない。
 
市場の下落から資産を守るには、絶えずポートフォリオの中身を吟味し、調整していく作業が必要となる。市場の下落局面で損失を抑えるためには、その時々で何がディフェンシブな投資になるのかを察知し、リスク環境が変化する中にあってもパフォーマンスの安定に寄与する銘柄を探し出すべく新たな方向に目を向けなくてはならない。
 
 
 
 
 
 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/market-sell-off-shows-risk-is-a-moving-target.htm

 

 

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