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金利上昇局面で強みを発揮する外債投資戦略とは

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荒磯 亘 
アライアンス・バーンスタイン株式会社
運用戦略部長 兼 ポートフォリオ戦略室長 
 
 
                                                                                                                                                                     
 
 
 
 

 

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2018年12月10日

 
 
長年にわたり国内債の利回りがゼロ近辺で低迷する中、利回りを確保したい投資家にとって為替ヘッジ付の外債投資は有効な手段となってきた。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)による着実な政策金利引き上げを受け、米ドル/円の為替ヘッジ・コストが上昇している。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、金利上昇のリスクを他のリスクと組み合わせることで、この逆風環境下でも外債投資のパフォーマンスの改善を図ることができると考えている。
 
本邦債券投資家にとって、米ドルの為替ヘッジ・コストは足元で3%を超える水準まで上昇している。米国10年国債の利回りが3%前半程度しかない状態では、なかなか食指が動かない。もちろん、日本でも10年国債の利回りは目下0.1%で、これではとても今後の金利上昇に立ち向かえない。
 

リスク要因相殺でユーロ建て債券ポートフォリオを最適化 

そこで、ユーロ建ての債券に注目したい。米ドルのヘッジ・コストが高いなら、ユーロ/円の為替ヘッジをすることで逆にプレミアムが得られるユーロで、インカムを確保するという発想だ。ユーロ圏は来年以降金融緩和解除を控えており、債券価格が下落するのではと心配する向きもあるだろうが、過度に恐れることはない。ユーロ圏の金融緩和が解除されるようなリスク・オンの環境であれば、金利上昇に伴ってユーロの為替レートが上昇する可能性が高いので、為替を部分ヘッジにしておくことで、為替リスクと債券価格のリスクが打ち消し合うようにすれば良いのだ(図表1)。
 
 
 
ユーロ建て債券の部分ヘッジ戦略ではリスク要因が相殺する可能性.png
 
 
図表2は、為替のヘッジ比率(横軸)を変えた場合に、ユーロ建て債券投資のリスク(縦軸)がどのように変わるかを示したものだ。ポートフォリオのごく一部、10%程度の為替ヘッジをはずした場合、100%為替ヘッジした場合よりもわずかだがリスクが下がることがわかる。
 
ユーロ建て債券の場合、ヘッジ比率が高い方がヘッジ・プレミアムをより多く受け取れるので、ポートフォリオの利回りは良くなる。しかしリスク1単位当たりのインカムを考えると、10%程度は為替ヘッジなしで持った方が効率のよいポートフォリオが出来上がる。
 
 

為替ヘッジ比率とユーロ建て債券投資のボラティリティ.png

 

米金利引き上げ開始局面でも部分ヘッジが有効だった

利上げ通貨の為替ヘッジ比率を引き下げた外債投資戦略は、実際に2015年以降利上げサイクルに入った米国の債券では有効であった。 
 
図表3の左図は、過去6年間について、米ドル建て債券に関する為替部分ヘッジ戦略の結果を為替フルヘッジ戦略および為替ヘッジ無し戦略と比べて検証したものだ。縦軸の各年のリターンを見ると、部分ヘッジ戦略のリターンはおおむねフルヘッジ戦略と米ドル/円の為替のリターンの間に位置しており、最後の2017-2018年の「円高かつ金利上昇」の局面ではヘッジ外債と為替の両方のリターンをわずかながら上回った。また、同時期のリスクの比較からも、部分為替ヘッジによるリスク低減効果が確認できる(図表3の右図)。 
 
2014-2017年の期間は、債券投資がプラス・リターンの時は米金利低下により米ドルが下落して為替のリターンがマイナス、逆に米金利が上昇して債券価格が下落した局面は米ドルが上昇して為替のリターンがプラスとなった。このように為替と債券が相互に補う展開こそ、金利上昇相場で外債に投資する真骨頂である。また、2017年以降の厳しい局面では、ヘッジ後利回りが一層低迷する中で、ヘッジ比率引き下げによるヘッジ・コストの節約が効いたと言えるだろう。
 
 
 
米ドル建て債券の為替部分ヘッジ戦略のリターンとリスク.png
 
 
 

2019年のユーロ建て債券は為替リスクと債券リスクのバランスが取りやすい 

米国のケースでは主に利上げ初期から中盤の段階において債券リスクと為替リスクの相殺が機能したことを踏まえると、投資する債券の通貨に利上げが織り込まれているかどうかが重要であると考えられる。この仮説のチェックには実質実効為替レートが便利だ。このレートは一対一の交換レートではなく、複数の他通貨に対するレートを加重平均し、かつ通貨価値に影響を及ぼす物価の調整を行っている。通貨の全体的な対外競争力を示す指標とされ、日銀の黒田総裁が円安の判断材料として言及したことで有名だ。
 
図表4でユーロの実質実効為替レートを示したが、現在の水準に過熱感はないと判断できる。ユーロ圏は巨額の経常黒字を誇り、リスク・オフ時に強い通貨としても知られており、世界経済が順調なら利上げが、逆に景気が変調をきたすなら安全資産需要が、それぞれ支援材料になり得る。低金利通貨の代名詞であったユーロ建て債券だが、債券投資家は、為替ヘッジをうまく使うことでリスクをバランスさせながらインカムを確保する手段として再評価すべきではないかとABでは考えている。
 

ユーロと米ドル、実質実効為替レート.png

 

 

 

 

 

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