AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

ポートフォリオのリスクだけでなく リターンにも注目を

Brian_Brugman.jpg

 

ブライアン・ブラグマン
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット戦略
ポートフォリオ・マネジャー
 

 

 

PDF版をご希望の方はこちら pdf

2015年10月9日

 

新興国市場の成長は鈍化し、ボラティリティが拡大しているため、多くの投資家が苛立ちを感じている。しかし、明らかにリスクが増大している一方で、リターンが上昇する可能性も高まっていると言える。投資家はリスクとリターンの両方に注目すべきである。
 
誤解してはならないのは、短期的にはリスクが高い状況が続くということだ。中国をはじめとして、かつてめまぐるしい成長を遂げた新興国が現在は急激に失速している。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げも迫っている。そして金融市場の流動性は以前より低下している。
 
これらすべてに注意を払うことが必要だ。現在のこのような環境においては、例えば株式を若干アンダーウェイトすることが理に適っているとも言える。
 
 
先進国市場の株式を見捨ててはならない
 
しかし、過剰反応しないことも重要である。例えば、新興国市場の急激な失速が、経済のファンダメンタルズが依然として強固な先進国市場に波及する兆候は見られない。複数の主要指標に目を向けると、先進国経済の成長は力強さを維持していることが分かる(図表)。これはエコノミストの予想と一致しており、先進国市場の株式のように成長と連動する資産にとっては好ましい前兆であると言えよう。
 
 
Chart1.png
 
 
 
さらに、足元における各市場の下落によってバリュエーションは平均に近付いており、さらなる下落は起こりにくいと考えている。またアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)のリサーチは、コモディティ価格の低下は通常、消費に依存する経済やセクターにプラスの影響を与えることを示しており、したがって先進国により好ましい状況であると言える。同時に、一部の通貨の下落によって景気の刺激が促進されるだろう。
 
全体的な企業の質が向上していることも株式にとってプラスとなっている。世界中の企業の経営状態は好調であり、株主の価値を上げる自社株買いは増加している一方で、価値を下げてしまう新規株式発行は過去平均を下回る水準にある。このため、経済の減速にもかかわらず、先進国市場の株式が良好なリターンを生み出す可能性が高いとABでは見ている。
 
 
リスクに気を取られて見えないもの
 
上記の理由やその他の好機によってリターンが高まる可能性があるが、リスクだけを注視する投資プロセスを採用している戦略は、そのチャンスを逃すかもしれない。これは、人気が増している一部の「リスク重視」の戦略に対する危険信号とも言える。これらの戦略の中には、ボラティリティあるいはバリュー・アット・リスクの指標を用いて一定期間におけるポートフォリオのリスク水準を測定するものがある。運用者は、そのリスク水準が下がれば資産を買い増し、逆に一定の基準を上回れば資産を売却してリスク水準を通常のレベルに戻す。
 
2015年半ばを振り返ると、ボラティリティと市場のリスク指標は低い水準にあり、成長と連動する資産のバリュエーションは世界金融危機後の高い水準に近付いていた。その結果、リスクだけに注目する投資アプローチを採用していた戦略は、8月に市場で混乱が生じた時点で株式を大幅にオーバーウェイトしていたことになる。
 
翌週に、S&P 500指数は13%近く急落し、VIX(恐怖指数)で測られる米国株式市場の予想ボラティリティは2倍以上に上昇した。リスクのみに焦点を当てたポートフォリオはパフォーマンスが悪化し、株式のウェイトを大幅に縮小した。
 
しかし結局のところ、リスクを低減するのには最悪のタイミングであった。市場は回復し、リスク水準は下がったことから、ポートフォリオのパフォーマンスは劣ってしまった。中には、市場が回復し始めた時に、ほんの数週間前に売却した株式を買い戻し始めた投資家もいた。
 
 
期待外れの結果がもたらすリスク
 
言い換えると、リスクとボラティリティのみを基準にしていた投資家は、リスクの急激な上昇と下落によって恐らく二重の損をしたことになる。彼らのポートフォリオのリターンは、株式が下落基調にあった時と市場が回復し始めた時の両方で悪化したと思われる。
 
リスク重視の戦略が市場の混乱を招いたすべての原因であったと言っているわけではない。主な原因は、世界の成長、特に新興国市場の成長と流動性に対する深刻な懸念であった。それでも、ABの分析では、リスクのみに基づいた投資は残念な結果をもたらす可能性があることを示している。
 
 
適切なバランスを取ることが必要
 
ポートフォリオ運用では、リスクとリターンの両方を考慮することが大切である。このアプローチは8月の市場下落時に奏功した。リスクとボラティリティが歴史的に低い水準にあった時でさえも、割高な株式バリュエーション、信用力の悪化、米国の利上げの可能性といったシグナルに目を向けることで、リターンが弱まる可能性に気付いたのだ。
 
この「リターン」が示したシグナルに注意を払い、7月にリスクを減らしていた投資家は、リスクのみを注視していた投資家よりも、その後市場が下落した時に優れたリターンを得る可能性が高まった。さらに、足元の市場の混乱によって生じているバリュエーションの改善から恩恵を受けやすいだろう。
 
むろん、リスクとリターンのどちらを重視するかを決めることは常に細心の注意を要し、またポートフォリオのリスク許容度は投資家により異なる。しかし、リスクとリターンのバランスをうまく取ることがベストな戦略であるとABでは考える。リスクだけに気を取られていると全体像を見失う可能性があり、長期的な視点で高いリターンを得るチャンスを見逃してしまうかもしれない。
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。
 

https://blog.abglobal.com/post/en/2015/09/in-portfolios-watch-risk-but-dont-forget-about-return

 

 

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもABポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2015年9月22日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。

 

 

 

 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@alliancebernstein.comまでお寄せください。

運用サービス

  • 債券
  • 株式
  • マルチアセット
  • オルタナティブ
  • リスク抑制
  • リターン追求
  • 更なる分散

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
https://www.alliancebernstein.co.jp/

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており勧誘を目的としたものではありません。特定の投資信託の取得をご希望の場合には、販売会社において投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので、必ず詳細をご確認のうえ、投資に関する最終決定はご自身で判断なさるようお願いします。以下の内容は、投資信託をお申込みされる際に、投資家の皆様に、ご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.3%(税抜3.0%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.068%(税抜1.880%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

戻る