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流動性が低い環境における運用会社のトレーディング機能とは

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ダグラス・ピーブルズ(写真)   
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
債券部門 最高投資責任者(CIO)兼ヘッド
 
アシッシュ・シャー 
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
グローバル・クレジット運用責任者
 

 

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2015年12月18日

 

時に債券市場の流動性は一夜にして干上がってしまうように見えるかもしれないが、実際はそんなことはない。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、数年前に金融市場のトレンドについて検討し、将来起こり得る問題に対応すべくトレーディング・デスクの大幅な強化を行い、運用マネジャーの中でも強固な基盤を築くことができた。

大手の資産運用会社においてトレーディング業務は常に重要な役割を担ってきたが、トレーダーの役割は変化してきている。従来のトレーダーの主な役割は、ポートフォリオ・マネジャーが発注した銘柄について最も低いコストで取引できる方法を見つけ出すことであった。

しかし、世界金融危機後に広まったいくつかのトレンドが債券市場の流動性を低下させたため、彼らの役割はもはやそれだけには留まらない(以前の記事『需要と供給が作り出す流動性危機』ご参照)。今日のトレーダーには、市場の流動性に応じた債券の適正価格を見極める力が求められる。

つまり、トレーダーの役割は、証券の売買判断をサポートし、いつどのように取引するかについて有益な知見を提供することにある。証券の価格や取引できる証券の種類は、流動性の状況に大きく左右されるため、この判断は非常に重要なものとなる。
 

流動性リスクに注目を

ABが流動性の問題に注目し始めたのは4年以上前にさかのぼる。流動性リスクに対応するため、ABでは流動性に応じた証券価格を判断できるトレーダーを増やした。その多くがヘッジファンドや大手の投資銀行での経歴を持つ経験豊富なトレーダーであった。

また、社債の取引に特化したグローバルのトレーダー・チームを形成し、個々のメンバーは担当業種に専念できる体制を取った。

最も大切なポイントは、ポートフォリオにおけるあらゆる投資判断において、トレーダーが重要な役割を担っていることだろう。金利リスクや信用リスクと同様に流動性リスクへの対応が重要となっている現在、他の手段は考えられない。
 

流動性を提供する

流動性が乏しい環境においては、トレーダーは投資機会を見出すために一層の努力を行う必要がある。同時に彼らには、投資機会を活用する機敏さも必要とされる。

以前の記事『流動性低下がもたらすクレジットの投資機会』で述べたように、流動性の低下は、多くのクレジット資産の過度な下落を引き起こした。また、流動性に余裕を持たせたポートフォリオを構築していた投資家に対しては、投資機会を捉える可能性をもたらした(以前の記事『流動性リスクを管理する最善のアプローチとは?』ご参照)。

他の投資家が流動性を必要としている時に流動性を提供することで、投資機会あるいは流動性が生み出すその他の市場の歪みを活用するためには、有能なトレーダーが必要となる。2013年にテーパリング(資産購入の段階的縮小)騒動が起こった際、また2015年の夏にクレジット市場が下落した際、他の投資家が次々と売却していた時に魅力的な債券を購入したトレーダーは、必要な時に流動性を提供できたことで高い利回りを得た。

かつては流動性を提供する役目は大手の投資銀行やプライマリ・ディーラーが担っていた。しかし、新しい規制によってそうした機関の債券売買業務が縮小しているため、流動性の異なる源泉を探り出し、それを素早く活用する役割はバイサイドのトレーダーに委ねられている。

流動性リスクを管理するためにABのトレーダーが行っていることを次に挙げる。

市況について情報を提供する:ABのトレーダーは、市場の動向に詳しい業界人など幅広い人脈を通じて、ポートフォリオ・マネジャーに特定の業種や期間における売買可能な証券について豊富な情報を提供し続ける。トレーダーはポートフォリオ・マネジャーに対して、流動性の水準や売買が市場に与える影響について日常的にアドバイスを行う。

流動性の源泉を積極的に探し出す:購入できる証券が出てくるまで待つのではなく、顧客のポートフォリオに取り入れようとしている特定の種類の証券あるいは案件組成に関し、多くの証券会社に対して常に問い合わせる。

問い合わせた債券について証券会社が見つけ出すケースもあれば、デリバティブを利用して合成証券を組み込む時もある。これにより、異なる流動性にアクセスできるようになるとともに、取引コストが下がる可能性もある。

新たな技術に投資する:流動性の低下を巡る問題は、いずれ電子化がより進んだ市場形式によるトレーディング・プラットフォームの発達によって、多くの買い手と売り手の取引に伴う大規模な数の注文を短時間で処理できるようになることで解決に近付くかもしれない。ABでは、電子トレーディング分野における複数の新興企業とミーティングを持ち、社内の計量分析ツールを強化する方法について考案を続けている。

運用マネジャーの中には、トレーダーの役割を投資プロセスに完全に統合させることの必要性について、今になってやっと気付き始めたところもある。投資家は、投資資金を運用マネジャーに委ねる前に、彼らがトレーダーに対してどのような役割を持たせているか、また運用マネジャーにおける債券戦略全体でトレーダーがどの程度重要な役割を担っているかを確認すべきであろう。



 


当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。
https://blog.abglobal.com/post/en/2015/11/low-liquidity-time-for-traders-to-dig-deep

 

 

 

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもABポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2015年11月3日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 



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