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株式市場から逃げ出したくなった時に考えるべき2つのこと

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セス・マスターズ

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
富裕層向けサービス 最高投資責任者
 

 

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2016年3月4日

 

最近のように市場が乱高下すると、保有株式を売却したい衝動に駆られるのも不思議ではない。しかし、長期投資を標榜するのであれば、実際に売却する前に、以下の2点に関する確信度を自問してみるべきだろう。
 
 
1. 買い戻すタイミングを判断できるか
 
株式市場の調整は突然始まる。回復も然り、だ。仮に売却のタイミングが完璧であったとしても、長期的投資家であれば、いずれ株式を買い戻すことになることを念頭に置く必要がある。
 
米国株式市場の回復が7年ほど前に始まって以来、S&P 500指数は約178%上昇した。しかし、その上昇過程においても、図表1で示すように幾度となく調整局面が生じた。実は、5%以上の調整だけでも17回もあったのだ。そうした調整局面は、底打ちまで平均で31営業日ほど費やし、元の高値を超えるまでにはさらに30営業日ほどかかっている。

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問題は、市場が回復する際に、「回復局面入り」という明確なシグナルが発生するわけではないことだ。多くの場合、投資家の間では不安がくすぶり続けているにも関わらず株価が上昇してしまうのだ。株価下落に耐えきれず逃げ出した投資は、往復ビンタを受けることもしばしばだ。売却時に損失が確定し、株価回復の恩恵も受け損なう、という形で。

 
図表2では、当初の資産残高が100万米ドルだった2つのポートフォリオにおいて、年間5万米ドルずつ引き出しを行った場合の、2005年1月から2015年12月までの残高の推移を示したものだ。いずれのポートフォリオも、当初の資産配分は80%が株式、20%が債券であった。投資家Aは、その資産配分を維持し続けたが、投資家Bは2008年に株式市場が30%下落した時に株式を売却して現金化し、2012年に(株式市場がかなり反発してから)株式への投資を再開した。
 

Chart2.png

 
資産配分を80:20に維持した投資家Aは、2008-2009年の弱気市場で最大46%の含み損に苦しんだが、2015年末には、毎年引き出した現金を除いても、資産残高が111万米ドルにのぼった。投資家Bは、市場下落時の最大含み損が38%で済んだものの、2015年末の残高は63万米ドルにとどまり、これは投資家Aよりも43%少ない金額であった。
 
もちろん、これは多くの仮定に基づいているが、実際に投資家が取った行動により生じた資金フローを反映している。明らかに、どの時点で市場に再参入すべきかと言う判断は難しい。売却の判断を完璧に行えた投資家にとっても、だ。
 
 
2. 税引き後の損得は?
 
リッパー・リサーチ・スタディが2010年4月に刊行した「ミューチュアル・ファンド業界の税金」というレポートによると、米国の株式投資家は直近10年間のリターンに関し、平均するとその半分近くを税金で失っている(注:米国の譲渡益課税は所得に応じた段階的課税方式)。足元では、2008-2009年に被った損失は、これまでの損益通算で使い果たしており、今年の損益通算には使えない人が多い。したがって、今年の税負担はもっと厳しい数字になる可能性がある 。S&P 500指数が2009年3月の底値から3倍近い水準まで上昇していることを考えると、近年購入された株式には多額の含み益があると見られる。
 
売却した時よりも低い株価で買い戻せなければ、市場の上下動のタイミングを計って取引することの意味はない。キャピタルゲイン課税は、その成否の敷居を実質的に一段と高くする。税額が大きければ大きいほど、買い戻しが奏功するためのハードルが高くなるのだ。
 
今日の市場で長期投資戦略を堅持するのはなかなか困難である。しかし、データはそれが結局もっとも有効な方針である可能性を示唆している。市場が乱高下する中で原則を維持する苦しみは、長期的成功に必要な要件の一つなのかもしれない。市場が急落する中、「脱出」ボタンを押したくなった時には、上記の2項目についてよく再検討してみることが役立つであろう。 
 

 

 

 

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