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足踏みする米DC制度改革

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ダニエル・ノットー
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
シニア・リタイアメント・プラン・カウンセル

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2013年11月26日

 

米国では現在、政治の機能不全が確定拠出年金(DC)プラン・スポンサー、資産運用会社、レコードキーパー(記録関連運営管理機関)に難題を突き付けている。DCに関して法律、規則、時には税制などの変更の噂をよく耳にするが、実際にどのような変更が行われそうなのだろうか。

DCプランについて米国の政治家の間で議論されている考え方は、大きく二つある。 一つは、DC制度はうまく機能していないので全部作り直すか、少なくとも現行制度を維持するためのコストである非課税枠の額を減らすべきだというグループである。もう一つは、DC制度には問題はないが、加入者の運用成果を改善するため目標を絞った変更をいくつか実施する必要があると考えるグループだ。

 

アプローチ 1: DC制度の全面改正または作り直し    

「ゼロからのスタート」を主張するグループからのおそらく最も遠大な提案は、いわゆる「保証付き退職勘定(GRA: Guaranteed Retirement Account)」の導入だろう。それは政府が事実上維持するDCプログラムで、「公的年金」と似ている。GRAでは従業員は拠出金として給与の2.5%を強制的に天引きされ、企業も同じ2.5%のマッチング拠出を義務付けられる。拠出金は政府維持口座に振り込まれ、政府が毎年600米ドルの税額控除を付与する。 退職後は、この口座から加入者に年金形式で給付金が支払われる。

言うまでもなく、最近はいかなる種類の強制的措置もあまり人気がない。それでも、このコンセプトはワシントンで過去数年、何度も取り上げられており、今後も何らかの形で議論される可能性は高い。

DC制度の作り直しまたは全面改正を目指すグループは、退職プランに対する非課税枠、具体的には大半の退職プラン拠出金に適用される課税繰延を制限する様々な提案をしてきた(例外は、拠出時に所得控除されない代わりに、給付時に運用益と元本が非課税となる「ロスIRA」。しかし、政治家はいずれこうした退職資産の運用益にも課税しようとするのではないかと懸念する向きもある)。 事実、一部の政治家はこのような退職プラン関連支出を、雇用主提供ヘルスケアに次ぐ税法における最大の非課税項目とみなしている。

オバマ政権の予算案には、所得控除の上限を拠出金の28%とする案が盛り込まれた。それ以外にも、納税者一人の退職プラン全部の残高が約300万米ドルに達した時点で、拠出を制限するという案もある。さらに、「白紙」アプローチがあり、もし米議会がこれでスタートするとしたら、税控除には何が含まれるのだろうか。

 

アプローチ 2: 目標を絞った変更    

しかし、「目標を絞った変更」アプローチを唱えるもう一つのグループからのアイデアは最近、DC加入者の運用成果に実際大きく貢献している。その最たる例が2006年の年金保護法(PPA)で、これによりDCへの自動加入が促され、年金プラン・スポンサーは自動加入に伴って行われる適格デフォルト商品(運用指図をしない場合、拠出金が自動的に投資される商品)への投資に関する受託者責任を免除された。

ワシントンで議論されているもう一つの目標を絞った変更は、年金プランに自動加入・拠出率自動引上げ水準の上昇を促すことである。これまでのところ、自動加入については当初の拠出率を3%にすることを中心に話が進んでいる。この数字は内国歳入庁(IRA)の古い歳入通達にあるもので、PPAの自動加入免責条項の最低比率でもあるからだが、それでは不十分と思われる。

それ以外のアイデアは、DCプランからの離脱を減らそうとするもので、例えば、ハードシップ・ディストリビューション(経済困窮時の引き出し)を行っている人を6ヶ月間でDCプランから強制退出させるのではなく、引き続き加入できるようにすることなどが考えられている。そして、最後に米労働省(DOL)と米議会の両方から終身給付保証の導入を奨励する提案が行われており、これが実現すれば、DCプランは将来の収入という形で加入者の残高を具体的に示すことが義務付けられるだろう。

したがって、DCプランにはDOLと米議会の双方が規則をぎりぎりのところで色々修正しそうな項目がたくさんあるようだ。

 

立法面では進展なし    

米議会は1947年以降、平均314の法律を毎年成立させてきた。これに対し、2013年は3分の2が経過した時点で成立した法律は30前後にすぎず、しかもその多くは特に重要なものではなかった。

このため、税制改革や年金規則に関して短期的に何か起きる可能性は低そうだ。動きがあるとすれば、その可能性が最も高いのは、規制当局からだろう。しかし、その規制当局でさえも反対に直面して苦労している。例えば、DOLは今年10月に受託者の定義について改定案を発表する予定だったが、現状では来年初めまでずれ込みそうな情勢である。DOLは 2010年に初案を提示したが、与野党議員を含む各方面から批判が相次いだため、その後それを撤回した。DOLは初案について指摘された問題点を改善する意欲を示したが、変更は一部の投資プロフェッショナルや、従業員退職所得保障法(ERISA)および個人退職勘定(IRA)向けのサービス提供者にとって大きな影響を及ぼす可能性があると思われる。

米政府・議会がDCプランに対して将来どのようなコースを取るとしても、現在のような不透明な状況ではなく視界が良好になれば、DCプラン・スポンサーが加入者により良い運用成果を提供するための行動を起こしやすくなるだろう。

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。http://blog.alliancebernstein.com/index.php/2013/10/01/dc-where-the-action-isnt/

 

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当資料は、2013年10月1日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。

 

 

 

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