AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

イエレン氏が受け継いだ課題:変貌する金融政策

JosephG_Carson.jpg

 

ジョセフ・カーソン(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
グローバル・エコノミック・リサーチ・ディレクター

ダレン・ウィリアムス
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド 欧州担当シニア・エコノミスト

 

PDF版をご希望の方はこちら pdf

 

 

2014年1月15日

 

次々と現れる経済の新たな問題に対応し、世界各国の中央銀行は大きく変貌を遂げている。今後の金融政策では、物価に加えて資産価格の動向により重点が置かれるであろう。また、通貨量に関しても実効性の高い指標を設けなければ、バブルの生成と崩壊を繰り返してしまう恐れがある。

1月末で退任するバーナンキFRB議長は「中央銀行の政策原理とその実行方法は常に進化している」と述べた。確かに、もともと政府への資金供給および財政の安定を目的として設立された機関が、現在は実質的に経済全体に対する責任を負っている。これが、6日に次期FRB議長として承認されたジャネット・イエレン氏が、世界で最も大きな影響力を持つ中央銀行を指揮する立場として対応しなければならない課題である。

 

進化する中央銀行

現在、FRBのような各国の中央銀行は物価を継続的に安定させ、雇用を促進し、金融システムを規制するよう求められている。また2008年以降は、大恐慌の二の舞とならないよう、自らのバランスシートの拡大を強いられてきた。

中央銀行を進化させる原動力は何か? 政府の優先順位の変化は1つの大きな要因ではあるが、経済や金融市場の構造的な変化も大きな要因となっている。これらの変化があるがために、実際に移行するまで時間はかかるとしても、中央銀行は金融政策の枠組みに重要な調整を加えてきた。ゼロに近い金利や量的金融緩和といった異例の処置が金融政策の中心となっている時期はもうすぐ終了すると考えている。中央銀行は次のフェーズにまさに移ろうとしているのだ。

 

新たな金融政策手段の模索

新しい金融政策の枠組みについてはまだ分からない部分が多いが、移行までにかなり時間がかかることは確実である。さらに新しい枠組みでは中央銀行にこれまで以上の幅広い課題が課されることになり、失業率の低下に重点を置きつつデフレ回避や財政の安定化を図るといった複数の目標の達成を強いられることになるだろう。これはインフレ率が高騰した1960年代および1970年代の状況に似ている。

 

暗中模索

このような移行期には中央銀行の政策的な対応の予想が難しくなるため、ある程度の混乱も予想される。これは政策決定機関自身が暗中模索することが一つの要因である。しかし短期的には、金融政策は引き締めすぎるよりも緩和しすぎることにおいてより失敗する可能性が高いと考える。

中央銀行が過去のようなバブルの生成・崩壊過程を今後回避できるかどうかを見極めるには時期尚早であるが、正しい方向へ向かいつつある兆候は見受けられる。例えば、中央銀行は今後金融政策を策定する際には、(消費者)物価の安定だけに注目するのではなく、資産価格の動向についてもっと注意を払うべきであるという認識が高まってきている。これは、経済と財政の安定に対するリスクを特定するために、消費者物価、生産者物価、資産価格を含む幅広い価格指数の使用を提唱してきた我々にとって歓迎すべき傾向である。

だが、それで十分だろうか。戦後の金融政策を振り返ると、1990年代に金融政策の目標を通貨供給からインフレ・ターゲットに移行する間に、中核となる政策目標を欠いていたことは重大な政策ミスだったと言える。各国の中央銀行がこのことを理解し、幅広い課題に対応する中核的な政策目標を設定するまでは、無意識のうちに消費者物価および資産価格における危険な不均衡を引き起こす状況に陥り続ける可能性がある。悲しいことに、イエレン氏を含む各国中央銀行がこのことに気付くには、少なくとももう一度バブルの生成および崩壊という高くつく経験をしなければならないかもしれない。

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。 

http://blog.alliancebernstein.com/index.php/2014/01/07/yellens-inheritance-monetary-policy-in-flux/

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン・ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

当資料は、2014年1月7日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。

 

 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@alliancebernstein.comまでお寄せください。

運用サービス

  • 債券
  • 株式
  • マルチアセット
  • オルタナティブ
  • リスク抑制
  • リターン追求
  • 更なる分散

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
http://www.alliancebernstein.co.jp

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており勧誘を目的としたものではありません。特定の投資信託の取得をご希望の場合には、販売会社において投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので、必ず詳細をご確認のうえ、投資に関する最終決定はご自身で判断なさるようお願いします。以下の内容は、投資信託をお申込みされる際に、投資家の皆様に、ご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.3%(税抜3.0%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.068%(税抜1.880%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

戻る