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新興国投資の鍵は低所得層が握る

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タソス・スタソポウロス
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
グローバル・グロース株式/テーマ・リサーチ株式運用 ポートフォリオ・マネジャー

 

 

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2014年5月7日



新興国における中間所得層の台頭は、長年にわたり投資家にとって魅力的なテーマだったが、我々はそれが錯覚だと考える。新興国で実際に消費の伸びをけん引するのは労働者層である。

新興国の消費動向には誤解が生じやすい。もちろん、中間所得層の台頭は経済の力強い成長を反映するが、購買力の拡大の実態を把握するには、中間所得層の動向に目を奪われるのは過ちだ。なぜなら、成長のスピードがもっとも速いのは、中間所得層に入り込もうとする低所得労働者層であるからだ。
 

低所得者は将来に前向き 

これは、ある意味自然なことだ。実際に新興国を訪れると、貧しい人々ほど将来への希望に満ちており、貧困から家族を救うためによりよい教育を受けたいと切望していることが分かる。

インドのマハラシュトラ州にある小さな村に住む32歳の農場主バーラを例に挙げてみよう。彼の収入は過去5年間、毎年15-20%の割合で増加したが、これはより効率的に時間を使えるようになったことが背景にある。携帯電話を持つことで、村にある他の農場や建設工事現場での仕事も見つけることができたのだ。いずれ牛を買い、牛乳を売る計画を立てている。さらに、子供達がサービス産業で職を得られるように、教育を受けさせている。これにより、家計収入はより安定し、彼らの生活水準は劇的に改善するだろう。

インドの農村部では過去5年間に携帯電話が急速に普及し、約2億8千万人の人々が何らかのかたちでその恩恵を受けていると言われている。彼らが貧困から脱すれば、GDPへの寄与度は大幅に上昇し、新興国の消費動向にも大きな変化がもたらされるだろう。


中間所得層の新たな課題   

すでに中間所得層に属している人々にとっては、低所得層の若者は新たな脅威となりつつある。サンパウロ出身の36歳の学校事務員マルシアは、現在は2-3年前と比べて職を見つけることが困難になっていると話す。採用側は、低所得層出身の若い人材により興味を示しているからだ。また、企業の要求はさらに大きくなってきており、学位が必要である上に、英語とスペイン語の両方を話せる人が有利であるとも話していた。

筆者が2年間にわたって新興国12ヶ国を訪れ、地元一般家庭で彼らの今後の目標や夢について話を聞いた際も、同様な状況であった。彼らに、5年前と比べた現在の生活について説明を求めたところ、中間所得層の40代の熟練労働者は、しばしば雇用市場について懸念を訴えていた。一方、低所得層の人々の方が、たいてい今後の成長への期待は大きかった。その期待は足元の彼らの生活水準の改善に基づいており、収入が低い家庭ほどその傾向は顕著である。

統計でもその結果は表れている。ユーロモニターによると、1992年から2012年までの期間、新興国主要12ヶ国全体では収入が下位3分の1のグループの賃金上昇率がもっとも高く(図表)、この傾向は2020年まで続くと予想されている。
 

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企業は低所得層の動向に目を向ける必要   

こうした動向が投資家に何を示唆するかは明らかである。それは、今後成長が加速する低所得層の消費の恩恵を受ける銘柄に注目することだ。

従来は、こうした低所得層の成長を捉える投資機会はそれほど存在しなかった。労働者階級の人々は地元の市場や零細商店で買い物をしていた。そして上場企業は中間所得層の人々をターゲットにして先進国の商品を先進国水準の価格で販売していた。

しかし時代は変化している。現在は、質の良いものを妥当な価格で入手しようとする低所得層の消費者に注目することが重要な鍵となる。地元企業であれ国際企業 であれ、そうした商機を捉えることができる企業こそが、新興国全体の全般的な消費成長の恩恵をもっとも大きく受けると我々は考えている。


 



 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。
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