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マルチセクター戦略は債券市場における 過熱セクター回避に有効

 

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アシッシュ・シャー

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
グローバル・クレジット運用責任者



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2014年6月30日

 

債券市場では、利回りに振り回されて、特定セクターのクレジット(国債を除く、クレジット・リスクのある債券)に対する投資や売却が集中することが当たり前となっている。しかし、そうやって市場参加者が皆同じ行動をとる状況はリスクが高い。FRB(連邦準備制度理事会)が債券ファンドの売却手数料を設定することで無秩序な売却を防ぐ議論を進めていると言われているのもこのためである。

アライアンス・バーンスタインでは、市場で売買が集中している債券にとらわれることなく、幅広いセクターにわたって投資機会を見出すことが得策であると考えている。そうすることで、投資家は過熱したセクターを回避して割安な銘柄を発掘することができ、また、売ろうとしても売れない状況に陥るリスクを低くすることができる。

足元における特定の債券セクターに対する市場の動きは非常に速く、変化が激しい。新興国債券の投資信託が良い例で、EPFRグローバルによると、2012年には390億米ドルの資金流入があったが、その後15ヶ月の間にそのほぼ全ての資金が流出した。そして最近ではまた資金が戻り始めている。

大抵の投資家はこういった速すぎる市場の動きに付いて行くことができない。特にクレジットへの資産配分をハイイールド債や新興国債券といった特定セクターのファンドを使って自ら行っている場合は、市場の動きに合わせて資産配分を即座に変更することは難しい。長期的な視点を持つ投資家であれば、資産運用マネジャーが投資機会を見極め、魅力度が高い資産に柔軟に投資することができる、複数セクターを対象とした包括的な投資戦略の採用を検討すべきである。これにより、セクターの種類に関わらず、多くの投資家が見逃している割安な債券に迅速に資金を動かすことができる。
 

クレジットにおける逆張り       

別の言い方をすると、大多数の投資家が特定の債券に集中している時は、より選別的な投資を行う投資家にとっては、それ以外の債券の中からそれまで放置されていた魅力的な銘柄を発掘できる可能性がある。

地方債を例にとってみると分かりやすい。地方債は利子が非課税であるため人気が高いが、リッパーによると、2013年は地方債ファンドから530億米ドルの資金流出があった。このため、当セクターは世界金融危機以降初めてマイナスの年率リターンを記録した。

なぜこのような大規模な資金流出が起こったのであろうか? その理由としては、金利上昇への不安に加えて、デトロイトの財政破たんやプエルトリコの債務危機に関する懸念が挙げられる。結果的に、金利は市場が予測したほど急速には上がらなかった。さらには健全な財政状況にあった多くの地方債がデトロイトやプエルトリコの影響を受けて売却された。他の大勢の投資家の動きに惑わされず、確信と規律を持って分析を行った投資家は、当時の地方債セクターで大きな成功を収めたであろう。

実際、今年に入りそのような投資家は報われている。過剰反応に気付いた投資家たちが地方債へと資金を戻したからだ。バークレイズによると、6月中旬現在、地方債は年初来で5.5%のトータル・リターンをあげており、ハイイールド社債の5.1%や米国債の2.2%よりも高い。しかも、地方債の金利が非課税である分を調整しなくても、である 。

クレジット市場に参入する個人投資家の増加にともない、地方債だけでなくその他の資産クラスでも似たような投資機会が生じているようである。JPモルガンによると、2013年の米国ハイイールド債市場残高に対し投資信託が保有する分の占める割合は24%を超えており、2001年の13.5%から約2倍に増えている(図表)。レバレッジド・バンクローンも一般投資家向けファンドが占める比率が2013年は20%と、2004年から4倍近く増加した。しかし、足元ではローンは8週間連続で資金の流出額が流入額を超えている。

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駆け込み売却の回避

多数派の意見に逆らって投資を行うためには、柔軟に資産配分を行えることが必要である。単一セクターを対象としたファンドに投資し、それらのファンド間の資金移動で資産配分を行う場合、迅速に資産配分を変更できないため、相対的に割安な銘柄を見逃してしまう可能性がある。

また、投資家が集中しているセクターが下落すると、駆け込み売却が発生するため、希望どおりに売却できないケースも出てくる。これは、新しい規制により、ウォール・ストリートの証券会社の債券取引量や彼らの自己勘定枠が縮小すると同時に、個人投資家の保有額が大きくなっているからである。

つまり、多くの投資家が売却したい時に、買い手となる市場参加者が少なくなっているのだ。FRBによると、銀行による社債保有残高は、2007年に約2,350億米ドルのピークを迎えたあと、75%近く減少した。社債の発行額が拡大しているにも関わらずこうなっているのだ。米国証券業金融市場協会によると、2013年の社債発行額は約1.4兆米ドルにのぼり、2008年と比べてほぼ2倍の水準である。

このような市場の流動性に関する変化が、2013年における特定セクターのクレジットの大幅下落を促進した可能性があり、債券売却時の手数料に関する議論を巻き起こしている。市場の予想どおり近い将来に金利が上昇した場合、市場はさらに大きく変動する可能性がある。そのような環境下では、特定のクレジット・セクターに投資するのではなく、複数のセクターに分散しておくのがもっとも適切な方法ではないだろうか。
 


当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

http://blog.alliancebernstein.com/index.php/2014/06/17/multisector-plan-can-help-avoid-the-crowd-in-credit/

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン・ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2014年6月17日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン(アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。)の1部門です。
 

 

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